主婦の方の任意整理

文責:所長 弁護士 鳥光翼

最終更新日:2024年10月29日

1 主婦の方でも任意整理をすることは可能

 結論から申し上げますと、家計の中から返済原資を用意することが可能であれば、主婦の方でも任意整理をすることはできます。

 より一般的な言い方をすれば、ご自身に収入がない方であっても、返済するための金銭を手配することができれば、任意整理はできるということになります。

 以下、任意整理の流れと、和解交渉の内容について説明します。

2 任意整理の流れ

 任意整理は、まず債権者ごとの債務額と、家計の手取り収入、支出を把握することから始めます。

 債権者が複数いる場合、任意整理の対象とする債権者を選択し、任意整理後の月々の想定返済総額と、返済原資(家計の手取り収入から支出を控除した残額)とを比較し、任意整理が可能であると考えられる場合、弁護士が委任を受けて各債権者へ受任通知を送付します。

 受任通知を送付すると、貸金業者等の債権者からの催促は一旦停まります。

 その後、各債権者から取引履歴が提供され、正確な債務額を確認することができるようになります(場合によっては、過払い金があることが判明することもあります)。

 その後、弁護士費用の積み立てが終わったら、各債権者と今後の返済条件について交渉を行い、債務者の方と債権者との間で合意できた条件で和解書を作成して終了となります。

3 和解交渉の内容

 和解交渉は、基本的には、任意整理の対象となっている債務の金額を返済原資で割った数以上の分割回数で返済することを提案することから始まります。

 交渉の過程において、債権者から収支の状況を聞かれることがあります。

 債権者によっては、家計の収支の詳細を記した書類の提出を求めてくることもあります。

 そのため、債務者の方自身に収入がない場合には、収入を得ている配偶者等のご家族のご協力をいただき、家計の状況を把握する必要もあります。

 その後、遅延損害金を含めた正確な返済総額と、返済回数について債権者と交渉を行います。

 任意整理に至る前の返済状況等によっては、返済の条件が厳しくなることがあるので、注意が必要です。

 そして、返済可能な条件で合意ができたら、代理人弁護士を通じて債権者と和解書(「示談書」、「準消費貸借契約書」という名称のこともあります)を作成し、任意整理は終了します。

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