任意整理のメリット・デメリット
1 任意整理のメリット・デメリット
任意整理は借金問題を解決するための手法のひとつです。
任意整理のほかにも、方法としては自己破産と個人再生がありますので、債務者の方の状況に合わせてどの手法を選択するかを検討する必要があります。
自己破産、個人再生と比較した任意整理のメリットとしては、弁護士費用が比較的低額で済むこと、債務者の方の労力的負担が小さいこと、対象とする貸金業者等を選択することができることが挙げられます。
自己破産、個人再生と比較した任意整理のデメリットとしては、返済総額の減額幅が小さいことが挙げられます。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 任意整理のメリットについて
まず、費用の面についてです。
自己破産、個人再生は、一般的には数十万円の弁護士費用を要しますが、任意整理の場合には数万円程度であることが多いです。
また、自己破産、個人再生は裁判所への申し立てに必要な資料が多数存在するため、債務者の方にご用意いただく必要がありますが、任意整理の場合にはご用意いただく資料はあまりありません。
さらに、自己破産、個人再生はすべての債権者を対象としなければならない手続きですが、任意整理の場合には対象とする債権者を選ぶことができます。
これにより、勤務先から借入れをしている場合には勤務先を任意整理の対象から外したり、給与の振込先である口座がある金融機関に借入れがある場合には当該金融機関を対象から外すということができます。
3 任意整理のデメリットについて
自己破産は、免責の許可を受けることで、原則としてすべての債務の返済義務を免れることができます。
個人再生も、返済総額を2割程度まで下げられる可能性がある手続きです。
これに対して、任意整理は、原則としては将来利息をカットすることができるのみであり、元本と遅延損害金は返済する必要があります。
頭金を多めに支払うことで、返済総額を下げることができる可能性もあります。
逆に、任意整理に至る前の返済状況や、返済条件によっては、将来利息の支払いも求められることがあります。